がつかりな対応 ニコン

何年か前にカメラを整理した際にどれを残すかで随分と迷つた。当時はニコンキヤノンをはじめペンタツクスやオリンパスのカメラも所有してゐた。オリとペンタについてはすぐに決心が付いたのだが、ニコンキヤノンではどちらを残すか相当迷つた。両メーカーとも所謂大三元レンズを揃へてゐた。

報道のニコン、広告のキヤノンだとか、ニコンは壊れたら撮れなくなるが、キヤノンは壊れても撮れる。(デジタルカメラの話。あるウエデイング・フオトグラフアーから直接聞いた話。故障を知らずにシヤツターを切つてゐたらデータがグズグズで使ひ物にならなかつた。壊れても撮れてしまふのは怖いの意味)南極探検隊が持つて行つたのはライカニコンだとか、銀塩時代のニコンのフラツグシツプは2Fから落としてもフイルム室に光が入らなかつたとか、とにかく高性能でタフが売りだつたやうに思ふ。因みに月に行つたカメラはハツセルブラツド。

 僕がカメラ好きになつたきつかけを作つてくれたのは小学生時代の担任の先生。彼は

ニコン信者であつた。薄給の教員の筈だつたが、おぼつちやまなのか、見栄つぱりなのかなんとニコンF2を持つてゐた。それを惜しげもなく手に持たせてくれた。ずつしりと

重く、冷たい感触、初めてフアインダーから覗いた世界など、それは感動的だつた。

 そんないきさつもあつて結局キヤノンを売り払つてニコンを残した。それについては

後悔はない。(本当はキヤノンの白レンズや赤ハチマキに未練があるが)

 でもね、ニコンはボデイの強靭さに反してレンズが弱いやうな気がする。

 大三元の一つである24-70F2.8から異音が出始め、やがてAFが動かなくなつた。ライト・グレーのお気に入りのレンズだつた。ニコンに問ひ合はせたところ修理期間終了につき対応不可能。仕方なく24-120F4を購入する羽目になつた。ネツトで調べてみると

同じ症状になつた人の多いこと!そして今回。早くもニコンが見切りをつけてしまつたCXマウントのレンズ。僕のnikon 1nikkor aw11-27.5が絞り不良になつた。このレンズは水中でも使用可能な防水仕様のもの。実際に水中での使つたことはなく、普段はドライ・キヤビで待機状態だつたのだが、久しぶりにボディに付けてみたところモニターが真つ黒!

ボデイの故障を疑ひ、別の10-30に付け替へてみると正常作動。ネツトで検索してみると同じトラブルが出てくる、出てくる!ニコンからの正式なアナウンスでは10-30については無償修理だが、他の11-27.5や10mmなどの1nikkorについては有償修理になるとのこと。ユーザーからするとこのCXフオーマツトのレンズは設計だか、部品だかに問題があるとしか思へない。どの画角のレンズも同じやうなトラブルが頻発してゐるのにこの対応は如何なものかと思ふ。CXフオーマツトを早々に打ち切つてしまふのも昔のニコンの良心が感じられない。サービスに問い合はせたところ修理費用は約1万7千円。先のないカメラにこの金額を支払ふ価値はあるだらうか。銀塩時代はボデイは消耗品、レンズは資産と言はれたが昨今は様子が違ふやうだ。