あなたならどうしますか?

ラジオで米長名人の話を聞いた。ずいぶん前に自分にとっては消化試合なのだが、対戦相手にとっては大事な試合をしたことがあったそうだ。米長氏にしてみれば負けても痛くも痒くもない。負けてあげて相手にプロとしての道筋をつけてあげる、ということも考えたそうである。勝負師としてどうあるべきか。多くの人が例え相手が誰であれ、どんな状況であれ勝負に徹するべきと考えるのではないだろうか。そのことについて米長氏はこう語っている。
「無心であれ」氏は将棋のことだけを考えたそうである。こう考えた結果米長氏はある種の悟りを開いたということである。それは勝負の非情さなどというものを超ええた世界観だったそうである。我々の日々の生活の中には善悪だけでなくグレーな部分や状況がかなりある。毎日が判断の連続である。上下に分けたり、左右に分けたり、順番を決めたりの繰り返しである。時には無理が通れば道理が引っ込み、筋を通せば角が立つこともあろう。ならば
無心になって事に当たる、というのも一つの判断の仕方として結果に納得出来るのではないだろうか。少なくとも迷って時間ばかり浪費して成り行きに任せた結果よりは自分に言い訳が立ちそうな気がする。