オリジナリティ

去年の12月5日に廃屋の画像をアップした。今日の報道で写真家の丸田氏が同業の小林氏を著作権の盗用で訴えたとあった。小林氏は裁判で潔白を証明していくと言っているがどうも分が悪いようだ。アマチュアが写真を撮る場合、一つの被写体に多くのカメラマンが大挙するということがある。撮影場所も限られているので仕方のない部分もある。プロでも同じことがある。学校の記念写真などがそうだ。例えば中学生の修学旅行先の王道である京都や奈良では金閣寺をバックにしたり、南大門前で撮ったりする。集合写真で使うカメラは殆どがフジのGW690か680で絞りは8〜9.5。大光量のストロボを使い曇っていても晴れているような写真を撮る。写っている人間が違うだけであとは全く同じ写真といっていいだろう。作品ではないから撮影者のオリジナリティは必要がないのかもしれない。学校のアルバムならばそういった類似があっても問題にならない。何故ならばプロではあるが、写真家ではなく写真師だからだ。写真家は技術に裏打ちされたオリジナリティが無ければ作品にならない。同じ人間がやることなので美しいと感じる審美眼、最高と思う角度や光の加減が似るのは当然といえば当然なのかもしれない。ましてやプロと呼ばれる人ならば一番感動的に見せる方法を知っているのだから違う写真家が撮っても重なってしまうことはあるだろう。然しプロはそういったリスクを誰よりも一番知っているのも事実だ。だからオリジナリティを発揮出来そうもないならば潔く諦め、違うテーマを選ぶことが賢明だろう。