芥川賞の発表があった。今回の受賞者についてはまるで知識がないので何とも言えないが、ここのところの芥川賞の受賞作品には大いに疑問がある。出版社主導の賞だからあらゆる方法で書籍を売りたい気持ちは分かる。だが、それにしても受賞に値するような小説がいったい何篇あったか。内容も僕らが学生時代にテーマにした頃の作家、例えば三島や安部、吉行や遠藤などと比べてレベルが低いと思う。そして何よりも文章の稚拙さが目立つ。かつて芥川賞は作家への登竜門などといわれた時期もあった。他の文芸賞（読売文学賞や野間文芸賞など）に比してランクが低いとはいうものの話題先行で賞乱発というのは出版社が自分で自分の首を絞めることになるだろう。本の話ついでに・・・。「オリンピックの身代金」という新刊が出た。（奥田英朗 著）まだ沢山の本が読まれないまま積まれているのだが、これは是非読んでみたい本。
