ゴールなきリレー


どの時代のどの国であろうとパーフェクトな国なんて今まで存在しなかっただろうし、これからも有り得ないんだろう。そんな楽園のような国や世界なんて無理な話で実現するとしたら映画や小説の中に限定される。もっとも人間は業が深く、ハッピーだけのストーリーでは映画も成立しないか。だが、実現不可能だからといって僕らがそれに向かうのは意味のないことではない。1cmでも1mでもいい方向に近づくように歩くことは必要だ。個人一人がどうこうしても何も変わらないというのは何もしないでいることの合理的な理由にはならない。確かに個人の力なんて無いに等しいくらいのものだろう。だが、個人の1cmも10人足せば10cmになる。一人でマラソンをしていると考えずに10人で、100人で1億人でリレーしていると考えたらどうだろう。実際僕らは何世代ものリレーによって今在るのだから。