古書店

先日久しぶりに近所の古書店に立ち寄った。一つ一つ本棚に並ぶ本の背表紙を見ながら面白そうな本を物色していく。目に付いたものを手に取り、ぱらぱらとページを捲り買って帰るかどうか判断する。持ち帰ることになった本は店主に断りレジスターの前に置く。結局その日は4冊の本を買った。写真集を2冊と宇野信夫吉行淳之介を各一冊。
本選びに要した時間がおよそ一時間、会計をしてから店主とのお喋りが一時間。本棚と対峙している時間も楽しいのだが、店主との四方山話もまた楽しい。考えてみれば酒抜きの商売で店主と長い時間話が出来るのは古書店と床屋くらいしかない。新刊書を置いてある本屋の店主ではこんな悠長なことはしてくれない。僕にとって本を読むのと同じくらい贅沢な時間である。