スポーツ車とヘツドフオン

電車のダイヤ変更やらこの前までのガソリン騒ぎやらで自転車が見直されてゐるやうだ。街の自転車屋さんには埃をかぶつたままだつた自転車が持ち込まれて整備で手が回らないと聞く。自転車人が増へるのは結構なことなのだが、さうなると困つたことも目に付くやうになる。交通法規の問題である。免許も要らず教習所に通ふこともない自転車ほど好き勝手に乗り回される車両はない。実際僕が危ないと思ふ場面は対自動車よりも対自転車の方が圧倒的に多い。これは車に乗つてゐる時でも自転車に乗つてゐる時で同じ。無灯火、逆走、横広がりなど老いも若きもやりたい放題である。真新しいスポーツ車にヘルメツトを被り、ヘツドフオンを耳に付け音楽を楽しみながら走る輩を見ると何ともかつこ悪く、アホかいなと思ふ。五感を使つて走るからこそ自転車は楽しいのだし、事故に遭ふことも避けられるのだ。高価なスポーツ車に乗りながらルール無視の人よりもママチヤリに乗つてきちんと法規を守る人の方が僕にはかつこ良く映る。