関西の腹開き 関東の背開き

 少し前の報道によると今年は鰻が値上がりするらしい。
真夏の時期よりも今のうちに食しておく方が良いかもしれない。
 鰻のさき方で【関西の腹開き】【関東の背開き】がある。
 開き方の違ひには諸説あるやうだが、有名なのは商人の街である大阪では《腹を割つて話す》から腹開きになり、武士の街である江戸では切腹のイメージを嫌つて背開きになつたと言ふ説は有名なところ。そこで疑問が生じる。切腹したり、させられたりするのが厭なのは理解出来る。だが、武士たるものいきなり背後から斬り付けられるのはともかくとして、一般に背を斬られるのは逃げたことになりはしないか。その方が余程不名誉であると考へなかつたのかと僕は疑問に思ふのだ。
 さて、話は今に戻る。学校の土地売買にからむ問題で決裁文書が改ざんされたと大騒ぎである。期せずして鰻の話と同じく西と東の話である。
 国会では孤軍奮闘して御家を守りきつたかに見えた男がその後切腹した。そしてその後介錯はなく背後から斬り付けられた。両開きである。そんなさばき方があるのか否かは知らないが。当然のことだが切腹は比喩であり、本人は生きてゐる。今後どんな展開になるのはは分からないが、御白州の場に引きづり出されることもあるだらう。その時は是非腹を割つて話をして頂きたい。俎板の鯉の如く潔く!