廃屋

人は永遠に輝き続けるものに憧れる。一方で滅び行くものにも美を感じたりもする。廃屋をテーマに写真を撮る人などはそうだろう。朽ち果てていくモノの中に何か写欲を掻き立てるものを感じるのは僕も経験がある。建物の建てかえで解体された様子などには感じないのだが、放置され、風雪に晒されたモノには人を惹きつける魅力がある。そこに横たわる時間だろうか。かつてそこで生活をしていた人間の影だけが置き去りにされているのだろうか。荒涼の中に何かが存在しているような気がする。