入浴と読書

お風呂の中で本を読むという人がけっこういるらしい。人様のことなのでいいとか悪いとか言うつもりはないが僕には到底出来ない芸当である。当たり前の話だが、本は紙で出来ている。紙を濡らす、濡れる可能性のある場所に持ち込むことに大きな抵抗があるのだ。僕の感覚では捨ててもいい本はあっても濡れてもいい本は存在しない。冷静に考えると捨てると濡らすでは捨てる方がひどいような気もしないでもないが本=水濡れ厳禁という自分の中の不文律は曲げることが出来ない。だから入浴しながら読書する人の話を聞くと僕とは違った新しい人類なのではないかと考えてしまう。グーテンベルグ印刷機を発明してから現在まで本は紙から出来ている。この先紙に変わるものや防水の紙が出来てもきっと僕は風呂場に本を持ち込むことは出来ないだろう。